西郷どん上司は選べぬ久光公
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最終更新日:2018/11/18
歴史
前回放送を見ていて久光公とは、現代で言うならば、まさに嫌な上司の典型版ですね。上司は選べぬといいますが、西郷どんよく我慢しました。もちろん今までも久光公に苦言を呈した(暴言を吐く、薩摩弁で久光のことを地五郎=田舎者と発言した。)為、2度も島流しにされてるだけに三度目はきっと命がなくなっていたことでしょう。一蔵の助言も功を奏しました。久光役キャストの青木崇高氏の演技を評価すべきですね。
これ以降も吉之助にとって久光は永遠の上司(殿様)として存在し続けます。もとはといえば前藩主島津斎興(斉彬、久光の父)の正室(弥姫)の子が斉彬、側室(お由羅)の子が久光であった。早くに正室弥姫が34歳で亡くなり斎興はお由羅を寵愛します。次第に家督を久光に譲ろうと考えますがさすがに正室の子斉彬を廃すことはできないので自身がいつまでも隠居せずに藩主に居続けます。
そうするうちに、斉彬(およびその家臣たち)とお由羅の方(および家老調所を中心とする家臣たち)とのお家騒動(お由羅騒動)となり双方とも犠牲者がでて最後に斉彬派は家臣50人程自害させられた。この時、当の久光自身は関与していたという資料はなく、むしろ斉彬のことを慕い尊敬をもしていたという。このことが、斉彬の捨て身の工作(江戸育ちの為幕府に人脈あり)により(家老調所による密貿易を幕府老中阿部正弘に密告する)幕府の知るところとなりついに調所は一人で責任をかぶり自害する。斎興は幕府より引退勧告を受ける(将軍より茶器を送られる、隠居して茶でも嗜みなさいとの意味)
本来内紛(お家騒動)は改易お家取り潰しであるが、斉彬、阿部正弘との人脈により免れた。斉彬の筋書き通りに事は運んだが当の本人は急死する。(斉彬急死についてはコレラ説、斎興の服毒殺説等諸説あり)ここで久光に目が出てきたのである。斉彬死後子供哲丸が幼少のため久光の長男忠義(当時18歳)を仮養子とする。その後哲丸死去(当時は夭折が多いがこの死も謎である。)忠義が家督を相続し藩主となる。
しかし再び祖父・斎興が権力を掌握するも死去、次に父・久光公、国父として実権掌握する。しかし忠義18歳といえば当時では大人と言える。性格は温厚、大人しい人物だったのか、自分は藩主なのに祖父に、実父に、実権を握られ不満はなかったのかと思ってしまう。忠義が実権を取り戻そうとしなかったことが、薩摩藩が一致して倒幕運動に専念できた面もあるというが私には考えられない。
兎にも角にも、久光は明治20年、71歳まで生涯を全うし西南戦争での西郷の死をも見届けるのである。どんな思いであったろうか。明治政府も扱いには苦慮している。廃藩置県には反対し、意思表明のために一晩中自邸の庭で花火を打ち上げるわ、廃刀令は無視し最後まで髷を切らず帯刀、和装をやめなかった。そんな久光であったが幕府(慶喜)との政治的妥協を断念し、武力倒幕を決断したのも久光であったがため維新功労者として死去の際明治政府は、東京ではないにしろ鹿児島ではあるが国葬をもって送られた。
また藩主忠義も大日本帝国憲法公布の日、洋装ではあるが髷を切らずにいたことに驚いたとドイツ人医学者ベルツの日記に記されている。西洋文化にも造詣が深かったにもかかわらず旧習に固執したのは、父・久光の方針に従ったためとされる。
そんな歴史が存在するのであるが、物語はいよいよ禁門の変(蛤御門の変)へ突入するのである。八月十八日の政変で京都を追い出され薩摩藩に後れをとった長州藩は遂に池田屋事件をきっかけとし武力蜂起するのである。応仁の乱以来約400年間戦乱のなかった京都での戦争である。軍司令官の西郷の采配はいかに、そしてこれ以降長州藩は朝敵となるのである。また長州藩兵は履物に「薩賊会奸」と書きつけ踏みつけるように歩いたとされ、薩摩や会津への恨み骨髄であった。それなのにこの2年後には薩長同盟が成立するのである。西郷を信頼していた慶喜は完全に裏切られるのであるが、今はまだ知る由もない・・・・・・
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