西郷どん9月16日放送分 第35話「戦の鬼」
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最終更新日:2018/11/18
歴史
前回、徳川慶喜が大政奉還を断行しました。この案は坂本龍馬が起案し土佐藩幹部後藤象二郎を通じ土佐藩主山内豊範が将軍慶喜に提出したものです。幕臣勝海舟、越前藩の横井小楠等もこの思想は早くから提唱していたが実施には至りませんでした。かねてより幕府は公武合体(朝廷=幕府という図式の下で、幕府の権威の衰えを防ぐ目的で朝廷の威を借りるというもの、朝廷と幕府の考えは一体であるという思想)という考えがありました。しかし慶喜は討幕運動が激しくなるにつれて大政奉還へと決断したようです。
当初薩摩藩西郷も公武合体、大政奉還には合意をしていて薩土盟約が存在したほどです(のちに解消)。彼等のいう公武合体、大政奉還はあくまで慶喜抜きの話(当初将軍職廃止を明記してあったが、山内容堂がその項目を削除した)です。しかし慶喜の思惑は大政奉還したところで朝廷には政権運営能力、体制もなくどうせ徳川家へ戻ってくると考えていました。またそのように薩長を除く雄藩に根回しを行い、事実その通りとなり新体制ができるまで慶喜に委任され結果的に政権掌握が続きました。
このように慶喜は薩摩藩(西郷)の目の上のたんこぶでした。討幕の名目を奪う狙いで大政奉還をして機先を制し、討幕の密勅以降薩長が大規模な軍事行動を起こそうとすると、この動きを制するために自ら征夷大将軍をも辞職するという離れ業をやってのける。西郷にとっては慶喜はきっと厄介者であったに違いありません。これらの事をもとにして西郷は益々軍事行動の決意を固め物語は「戦の鬼」となるのです。
西郷が「戦の鬼」となったのは34話、に原因があるようです。幕府は当時フランスから軍事援助を受けていました。その見返りに薩摩を領地として与えるというものでした。さすがの西郷もこの事は看過できません。また第35話では龍馬が近江屋で何者かに暗殺されます。この黒幕が薩摩藩西郷であったという話です。この二つの事柄は原作者林真理子氏の独自の主観ではないかと思います。
ご存じの方も多いでしょうが龍馬暗殺については諸説あり新撰組、紀州藩、会津藩、土佐藩、薩摩藩、徳川幕府、外国説と様々ですね、歴史とは過去の事、当時の人物が存在してないので考えれば考えるほどロマンがあって良いですね。それにしても軍事支援の見返りに薩摩を領土割譲するなんて思いもよりませんでした。あってもよさそうな話ですが、江戸の町を戦場にすることを避け、日本全土を戦乱に招き外国の侵略を避けようとしたある面聡明な慶喜がそんな事言うかな・・・・・・・
まあ、物語なんで・・・・・それにしても徳川慶喜という方は今までの(当時の日本人として)日本人としてはかなり稀有な存在、ある評論家はこんな事を言ってました。慶喜公の功績「不作為をもって英雄となり、寡黙をもって政治を変えた」うーん、私のような凡人には分かったような分からない感じです。
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